「ヤマハアビテックス」と「防音工事」どっちがオススメ?防音室のメリット・費用を徹底比較
「自宅で気兼ねなく楽器を練習したい」「テレワークや動画配信を気兼ね無くできる環境が欲しい」そんな時に行いたいのが自宅の防音対策でしょう。
本格的な防音環境を手に入れる手段は、大きく分けて「組み立て式防音室(ヤマハアビテックス・カワイナサールなど)」と「お部屋の防音工事(オーダーメイド)」の2種類があります。
本記事では、ヤマハの「アビテックス」やカワイの「ナサール」に代表される組み立て式防音室と、お部屋全体を施工する防音工事について、それぞれの仕組み、防音性能の違い、価格相場、メリット・デメリットを専門的な視点から論理的に比較します。高額な投資となるからこそ、失敗しない防音室選びの参考にしてください。
1. 組み立て式防音室(ヤマハ・カワイ等)の特徴と基礎知識
組み立て式防音室とは?
組み立て式防音室とは、規格品のパネル(壁・床・天井)をお部屋の中に組み立てて設置するタイプの防音室です。構造としては「お部屋の中にもう一つの小さな箱(部屋)を置く」イメージです。
代表的な製品には、ヤマハの「アビテックス(AVITECS)」や、カワイの「ナサール(Nasal)」などがあります。0.8畳ほどの電話ボックスサイズから、グランドピアノが悠々収まる4畳〜6畳クラスまで、用途に合わせて様々なサイズが展開されています。
組み立て式の防音性能(Dr等級の目安)と適した楽器
組み立て式防音室の遮音性能は、一般的にDr-30、Dr-35、Dr-40の3段階が主流です。「Dr(ディーアール)値」とは、JIS(日本産業規格)で定められた遮音性能を表す指標で、数字が大きいほど音を遮る性能が高いことを意味します。
- Dr-30(標準防音): テレワーク、声楽、フルートなど。隣室への音漏れを話し声程度まで軽減します。
- Dr-35(やや高防音): アコースティックギター、バイオリンなど。一般的なマンションにおいて、深夜でなければ概ね問題ないレベルです。
- Dr-40(高防音): アップライトピアノ、グランドピアノ、サックスなど。隣の部屋では「かすかに聞こえる」程度まで音を小さくします。
組み立て式防音室のメリット
- 工期が大幅に短い: パネルの組み立てのみで完了するため、小さいもので半日、大きいものでも1〜2日で設置が完了し、当日から使用可能です。
- 賃貸物件でも導入可能: 既存の壁や床に釘を打つなどの大掛かりな工事を伴わないため、賃貸マンションやアパートでも設置が可能です(※耐荷重や搬入経路の確認、管理会社の許可は必要です)。
- 移設・引越し・売却ができる: 組み立て式である最大の強みです。引越しの際は解体して新居に運ぶことができます。不要になった場合は中古市場での需要があるため、専門業者へ売却し資金を回収することが可能です。
組み立て式防音室のデメリット
- デッドスペースが生じる: 四角い箱を設置するため、お部屋の形状(柱や梁など)によっては、壁との間に無駄な隙間が生じます。
- 重低音・振動には不向き: 床から伝わる「固体伝搬音(振動音)」を完全に遮断する構造ではないため、電子ドラムのペダル音やベースの重低音は下階へ響くリスクがあります。
- 防音工事に比べ音響の癖がある: 特に小型タイプの場合、空間が狭く壁が近接しているため、音が反響しやすく耳が疲れやすいと感じる場合があります(調音パネル等での吸音調整推奨です)。
2. お部屋の防音工事(オーダーメイド)の特徴と基礎知識
防音工事(オーダーメイド)とは?
防音工事とは、お部屋の既存の壁・床・天井の内側に、遮音材・吸音材・制振材などを層状に施工し、お部屋そのものを防音室に改修するリフォームのことです。
高い防音性を実現するために、「ボックス・イン・ボックス構造(浮き床・浮き壁構造)」という専門的な工法が取られます。既存の躯体(建物)と防音室の間に空気層を設け、防音室自体をゴムなどの防振材で浮かせた状態にする高度な技術です。
防音工事の防音性能(Dr等級の目安)と適した用途
防音専門の業者に依頼した場合、組み立て式では到達が難しい、非常に高い防音性能を実現できます。
- Dr-50〜55: グランドピアノの深夜練習、金管楽器、オーディオ・ホームシアターなど。
- Dr-60〜65以上: 生ドラム、バンドのスタジオ練習、プロ向けのレコーディングスタジオなど。
空気を伝わる音(空気伝搬音)だけでなく、床や壁を揺らす振動音(固体伝搬音)に対しても高い効果を発揮します。
防音工事のメリット
- 空間を有効活用できる: お部屋の形状や梁・柱に合わせて施工するため、無駄なデッドスペースができず、ユニット式よりも広い室内空間を確保できます。
- 優れた防音性能と音響設計: 24時間いつでも気兼ねなく音を出せる環境を構築可能です。楽器の特性に合わせて最適な残響時間を設計できます。
- 自由な内装デザイン: クロス(壁紙)の色、フローリング素材、照明器具、窓の二重サッシ化など、インテリアの要望を反映できます。
防音工事のデメリット
- 費用が高額で工期が長い: 専門的な設計と施工が必要なため、数百万円単位の初期費用がかかります。工期も2週間〜1ヶ月程度を要します。
- 引越し先へ持っていけない: 建物と完全に一体化するため、移設することはできません。
- 賃貸物件には基本的に不可: 大規模な改修を伴い、退去時の原状回復が極めて困難かつ高額になるため、実質的に持ち家(一戸建て・分譲マンション)限定の選択肢となります。
3. 組み立て式防音室と防音工事の徹底比較
両者の違いを客観的に把握できるよう、比較表にまとめました。
| 比較項目 | 組み立て式防音室(ヤマハアビテックス・カワイナサール等) | 防音工事(オーダーメイド) |
|---|---|---|
| 主な防音性能 | Dr-30 〜 Dr-40 | Dr-50 〜 Dr-65以上 |
| 対応できる楽器 | ピアノ、弦楽器、管楽器、ボーカル等 | 全ての楽器(ドラム、バンド演奏含む) |
| 費用の目安 | 約40万円 〜 300万円 | 約250万円 〜 500万円以上 |
| 工期 | 半日 〜 2日程度 | 2週間 〜 1ヶ月程度 |
| 空間の有効性 | デッドスペースができやすい(やや狭くなる) | お部屋の形に合わせるため広い |
| 賃貸への設置 | 可能(管理会社の許可・耐荷重要確認) | 基本的に不可(原状回復が困難) |
| 引越し・移設 | 可能(解体・再組立て) | 不可(建物と一体化) |
| 資産価値・売却 | 中古市場で売却可能 | 売却不可(物件の付加価値にはなる) |
4.【事例】組み立て式防音室の移設・買取の費用相場
比較表で全体の相場をお伝えしましたが、ここではより具体的に「ユニット式防音室(ヤマハアビテックス等)を移設、または買取に出した場合」の費用感・事例をご紹介します。
【移設事例】ヤマハアビテックス 1.5畳 標準タイプ(Dr-35)を同県内(関西エリア)へ移設した場合
総額目安:約8万円〜15万円(本体代・エアコン工事除く)
- 内訳: 解体作業費、運搬費(同県内約30km想定)、搬入・再組立て費、基本調整費
- 解説: お部屋の階数(階段の有無)、搬入経路の複雑さによって費用は変動します。また、エアコンの移設を同時におこなう場合は別途標準工事費(約2万〜3万円)が追加されるのが一般的です。
【買取事例】カワイ ナサール 2.0畳(Dr-40)を売却する場合
買取価格目安:数万円〜20万円以上(年式・状態による)
- 内訳: 買取査定額から解体・搬出費用を相殺したお客様への「お支払い総額」
- 解説: 防音室は中古市場で需要が高いため、状態が良く年式が新しいモデルであれば、解体・搬出費を差し引いても手元に資金が残るケースが多いです。
最高値で売却する手段として、メルカリなどの個人売買を利用するのも有効な方法です。
個人売買で防音室を高く売る方法の解説記事はこちら >
※上記はあくまで目安です。ハコセンターでは無料でお見積りを行っておりますので、正確な金額はお気軽にお問い合わせください。
5. 組み立て式防音室導入前に絶対確認すべき3つの注意点
防音室の導入において、後悔を避けるために以下のポイントを必ず確認してください。
① 搬入経路と床の耐荷重
【耐荷重について】
建築基準法上、一般的な住宅の床の積載荷重は「1平方メートルあたり180kg」と定められています。組み立て式防音室(約200〜600kg)にピアノ(約300kg〜400kg)や演奏者が入ると、耐荷重の限界に達する可能性があります。木造アパートや築年数の経過したマンションの場合は、管理会社や専門家への事前確認が不可欠です。
| 広さ(目安) | ヤマハ アビテックス (セフィーネNS / Dr-35) |
カワイ ナサール (スタンダード等 / Dr-35) |
|---|---|---|
| 0.8畳 (約1.3㎡) |
154 kg | 約 160 kg |
| 1.2畳 (約1.9㎡) |
202 kg | 約 215 kg |
| 1.5畳 (約2.5㎡) |
246 kg | 約 260 kg |
| 2.0畳 (約3.3㎡) |
318 kg | 約 320 kg |
| 3.0畳 (約4.9㎡) |
436 kg | 約 445 kg |
※各社現行モデル(Dr-35仕様)のカタログ重量の目安です。より高い遮音等級(Dr-40等)やオプションの追加により重量はさらに増加します。
※設置の際は、上記の本体重量に加えて、演奏者(約60kg)+ 楽器(アップライトピアノ約200〜250kg、グランドピアノ約300〜400kgなど)の総重量が床にかかる点にご注意ください。
【参考】1平方メートルあたりの床荷重の計算ステップ
ご自宅の床が耐えられるかどうかの目安(180kg/㎡)に対し、実際の荷重がいくらになるか簡単に計算できます。
ステップ①:総重量を計算する
防音室本体 + 楽器・機材 + 演奏者の体重 = 総重量(kg)
ステップ②:設置面積を計算する
防音室の幅(m) × 奥行き(m) = 設置面積(㎡)
ステップ③:床荷重を割り出す
総重量(kg) ÷ 設置面積(㎡) = 1㎡あたりの床荷重
【具体例】アビテックス1.5畳(外寸1.38m × 1.8m)にアップライトピアノを入れる場合
- ① 総重量:本体246kg + ピアノ250kg + 演奏者60kg = 556kg
- ② 設置面積:1.38m × 1.8m = 約2.48㎡
- ③ 床荷重:556kg ÷ 2.48㎡ = 約224kg/㎡
→ 建築基準法の目安(180kg/㎡)を超過しています!
このような場合、そのまま設置するのは危険です。荷重を分散させる補強ボードの敷設や、建物の強度確認などが必要ですので、必ずご相談ください。
【搬入経路の確保】
組み立て式は大型パネルを搬入します。特に一軒家や古いアパート・マンションの場合、「エレベーターに乗らない」「階段でつっかえる」「室内の角を曲がれない」といった理由で設置不可となるケースがあるため、事前の経路確認が重要です。
② 換気と空調(エアコン)の確保
防音室は音を逃がさないため、気密性が非常に高い空間です。エアコンを設置しない場合、室温が急上昇し熱中症などの健康被害を招く危険性があります。
組み立て式防音室にエアコンを設置するには、防音室の壁と、お部屋の壁の両方に配管を通す必要があります。賃貸物件では壁の穴開け(スリーブ新設)が許可されないことが多いため、配線・排水方法の事前打ち合わせが必要です。
③ 消防法と火災報知器の設置
室内にもう一つの空間を作る防音室は、消防法上、内部に火災報知器(煙感知器や熱感知器)の設置が義務付けられる場合があります。マンションの管理規約や自治体の条例によって基準が異なるため、設置前に確認を行いましょう。
6. 後悔しない!あなたにおすすめの防音環境はどっち?
▼組み立て式防音室がおすすめな人
- 賃貸マンション・アパートにお住まいの方
- 数年以内に引越し、または部屋の用途変更の予定がある方
- ピアノ、声楽、管楽器、テレワーク、配信作業がメインの方
- 初期費用を抑えつつ、将来不要になった際は売却して資金回収したい方
▼防音工事がおすすめな人
- 持ち家(一戸建て・分譲マンション)に長期居住する予定の方
- 生ドラムの演奏や、本格的なバンド練習を行いたい方
- 深夜・早朝を問わず、24時間気兼ねなく演奏したいプロ・ハイアマチュアの方
- 空間を無駄にせず、デザイン性の高いスタジオやシアターを作りたい方
7. 組み立て式防音室の引越し・移設・買取なら専門業者「ハコセンター」へ
組み立て式防音室(ヤマハアビテックスやカワイナサールなど)のメリットは「移設ができること」ですが、実施にあたっては注意が必要です。
防音室の移設・組み立てに潜むリスク
防音室は重量がありサイズも大きいため、解体・組み立て難易度は一般的な家具よりもはるかに高いです。専門的なノウハウなしに設置を進めると、防音性能やリセールにも響き、以下のようなトラブルが発生するリスクがあります。
【リスク事例】破損や性能低下、やり直しによる追加費用の発生
- 家屋や防音室の破損:重量物でサイズが大きいため、取り回しの勝手がわからないと、ご自宅の壁や床、防音室本体を傷つけてしまうリスクがあります。
- 防音性能の低下:設置場所の床の高さ調節(水平出し)や、劣化したパッキンの補修を行わずに組み上げると、わずかな隙間から音が漏れて防音性能が落ちてしまいます。
- 再施工による多額の費用負担:一度組み立てた防音室のやり直し(解体・再組み立て)は一苦労で、数万円〜数十万円の費用が再度かかってしまうケースがあります。
窓、換気扇、エアコン、配線穴、ドアの位置を適切に配置し、無駄なデッドスペースを生まないようにするためには緻密な計算が必要です。今後のメンテナンスや、お客様それぞれの使用環境を考えた最適な設置には、防音室を知り尽くしたプロの目が不可欠です。
【ハコセンターのこだわり】性能を落とさない「パッキン処理」と「妥協のない組み上げ」
ハコセンターでは、単に説明書通りに組み立てるだけではありません。床のわずかな傾きにはもちろん水平出しを行い、パネル間の隙間・ズレを徹底的に無くします。解体時にはパッキンの劣化状態を厳しくチェックし、必要に応じて補修や交換。「移設後も新品時と同等の防音性能」をしっかり担保します。防音室の構造を熟知した専門業者だからこそできる高品質な施工です。
、ヤマハアビテックスやカワイナサール等、組み立て式防音室の移設・引越しに関することは、専門業者のハコセンターにすべてお任せください。
ハコセンターが選ばれる3つの理由
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① 下請けを使わない「一貫体制」のプロ集団
受付から解体、運搬、新居での再組み立てまで、防音室の構造を熟知したスタッフが一貫して担当します。精度の高い施工により、移設後も新品時と同等の防音性能を担保します。
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② メンテナンスとエアコン移設も一括対応
単なる運搬に留まらず、劣化したパッキンの交換や簡易清掃などのメンテナンスを標準で実施しています。カーペットや照明器具の清掃・交換、一時預かりも可能。電気工事士資格を持ったスタッフも在籍しており、エアコンの取外し・取付けも合わせてお任せいただけます。
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③ 不要になった防音室の「高価買取」にも対応
ライフスタイルの変化により防音室が不要になった場合でもご安心ください。適正価格での買取はもちろんのこと、個人売買なら出品から解体・発送・組立てまで一括サポートいたします。
組み立て式防音室の価値を落とさず、安全・確実に移設したい方は、高品質・低価格なサービスを提供するハコセンターへお気軽にご相談ください。

